映画見たよ!

テキストコンテンツの中に映画があるのが不思議なくらい、映画感想かいてませんが見てることは見てるっす!momiziです!って事で、ひっさびさに映画感想をにょろりと。

「恋落ち」〜「吉原〜」の流れの中で、ちょっと抑えとこっかなぁという訳ではないのですが、どちらも原作ファンだしって事で観に行ってきました「姑獲鳥の夏」と「フライ・ダディ・フライ」。
実のところ「姑獲鳥の夏」は地元ではやんないもんで、ビデオ化待とうかなとも考えたのですが、所用で四日市の方まで出かけなきゃなんなかったもんで、そのついでに二本とも観劇。
最早、私は祭り先輩ファンなのでは?とか思いつつも、祭りワールドを堪能してきまちた。
以下、両映画のネタバレ大量に含みますんで、それがおいやな方はレッツリターンですよ!

【さて! まずは、「姑獲鳥の夏」から】

映画「姑獲鳥の夏」OFFICIAL BOOK (講談社MOOK)

うん、途中まで、うっかり、これは「妖怪大戦争? え? もしかして、祭り先輩は神木君なの? じゃあ、永瀬さんはだぁれ? 河童? 小豆洗い?」とドキドキさせられたのですが、ほんと基本的な話なんですけど「原作物」がある映画を作製する際には、「これって、映画化出来るかな?」って、この物語は「長さ的に、内容的に、二時間位の映画になるのかな?」って考えて作らないのかな?って、感じました。
原作読んで、ちゃんと読んで、明確なビジョンを抱いて作られた作品だったとしたら、ちょと辛い。
おどろおどろしい画面やら、横溝正史シリーズ的な雰囲気は、邦画が好きなんで、良いとは思うたのですが、原作は丁寧すぎるくらいに色んな事象を幾つもこの言葉を重ねて作り上げた、「言葉の力ありき」の作品であるのだから、それを映像化する以上、映画を作るならば目指すべき到達点にある作品に仕上げるためには「七時間」くらいの映画にしなきゃなんなかったのでは?とか、酷い事を考えてしまったり。
あのね、映像化は無理ですよ。
京極さんの、京極堂シリーズはどう足掻いても、映像化は無理です。
単純に、長すぎて無理。
大事なとこや、キャラクター造詣を表現するのに必要不可欠なところすら削らねば、映画として成り立たない長編を、それでも映像化したがる神経が分からない。
京極氏の作品って長いけど、無駄な部分が結局は一切ないところが、小憎たらしくも、素晴らしいのに、それを「削って映画化」するっていうのは、「映像化したい欲望が、その困難にも勝るから」なんですか?
素晴らしい作品が作れるって、本当に目算立ててやれてたんですか?
陰摩羅鬼の瑕」や「百鬼夜行」「今昔続百鬼」「百器徒然袋」ここらあたりの、短編集ならばイける気もしますが(「陰摩羅鬼の瑕」は、内容的に京極氏にしては珍しく削っても物語として成り立つ文章がとても多かったような気がする)それ以外は一切無理です。
続編作るという噂を聞いたのですが、京極堂シリーズ屈指の名作「魍魎の匣」は、「姑獲鳥の夏」を超える長さであり、「姑獲鳥の夏」以上に削っては不味い部分が多いです。
無理でしょう。
同じやりかたで、映像化するなら、無理ですよ。
無理。
こけおどしの特殊効果や、途中挿入される怪奇な映像等で、丁寧に作りこめない分の原作の雰囲気を出そうとしていたなら目論見が甘すぎる。
謎解き物としても、不親切な部分が多かったし、ただ、もう、原作を完全に忘れて思うのは、「こういう映画を作ろうとする流れ」というのは、ホラーはキライだけど怪しい系ミステリが大好きな人間としては、この先も受け継がれてくと嬉しいなとかって思ってしまったり。
こういう「いかにも邦画な、横溝とも江戸川乱歩とも違うミステリ」を、オリジナル脚本で映画化っちゅうのは誰かやってくれないですかねぇ?
最後まで、犯人がわからなくてドキドキするようなしっかりした作品をさ。
横溝作品がさかんに映像化されてた頃みたいに、今度は、誰かオリジナルで書いたら、私は観に行きたいですよ〜〜!
もしくは、原作本あっても良いから、もっと短いミステリを映像化とか。

ただ、えーと、こんだけブーブー言うてますが、キャストの皆さんに対しては微塵も悪感情はござんせん。
キャスティングも、合うか合わないかっちゅうのを思う前に、「ああ、役者さんというのは、与えられたキャラクターになりはったり、キャラクターを自分に引き寄せはったりなさるんやなぁ」と感心できましたし、皆さん大層達者でいらっしゃいました。
個人的に、やはし、祭り先輩が素敵やったなぁとおもう。
堤さんの京極堂を、ちゃんと打ち出していらっしゃった。
オリジナリティという言葉は面映いのだけど、「ああ、祭り先輩の京極堂でござるなぁ」と嬉しくなった。
関さんも、榎木津さんも、木場さんも、文句ない。
文句ないから、もっとちゃんと見たかったというか、ちゃんと描いて貰いたかった気がするのだが、「ちゃんと描く」という事は、放棄せざる得ない映画であるからこそ、「アー、役者はいいのになー」と残念至極でございました。

【お次は、フライ・ダディ・フライ】

原作者と脚本化が一緒という事と、原作本の長さも200頁いくかいかないか位の長さで、完全に映像化を仮定して描かれていた話のようでしたので、物凄く安心して観ました。
うん、感動。
観れ!
観てない人は、絶対観れ!
ネタバレ一切見ないで観れ!
感動すっから!
原作も良いから!
こういう映画こそ、たくさん客入って色んな人に見てもらいたいから!

金城さんの作品の中でもぶっちぎりで好きなこの作品。
映画としても、ものっそい良いです。
強いっちゅう事は、やっぱし「優しい」っちゅうことが必要不可欠なんよね、と思いました。
舜臣(岡田君)がね、無条件に格好良いんですよ。
何処から見ても美形!っちゅうか、格好良さの塊!
隙一切なし!
体の線もきれいだし、神々しいまでに、美しく見える瞬間もあって、眼福の塊というかなんというか。
また、彼の哲学的な風情というのが、ぴったり合っていて、これは岡田君ならではの役だなと確信。
強いという事と賢いという事と、そして弱いという事を内包した魅力的なキャラクターに仕上がっていたと思います。
舜臣の言葉はね、どれも素敵です。
大事な事ばかりです。
きれいごとかも知れない。
世間じゃ通用しない理想ばかりかもしれない。
そういうのは分かってるけどさ、映画ですんで、舜臣の言葉全てを素直に良いなぁって受け止めてました。

祭り先輩は、京極堂とは打って変わって弱々親父。
ハイ、好み!
緑のジャージ姿のおかしいこと、おかしいこと。
汗だくで、自分の息子くらいの年齢の舜臣にボッコボコにされて、言われて、それでも、娘の為に、「本当に強くなろうと努力する」姿に感動。
あとね、小声で舜臣に対してブツブツいったり、いわれた特訓こなして得意げにしてみたり、舜臣にプレゼント買ってニッコニコで届けにいったり、遊園地ではしゃいだり、もう、なんだろ? なんちゅうのかな?
地上に降り立った天使レベルの可愛さに、最早私の脳内デストロイ。
可愛さが、もう、半端ないね。
致死量超えてる。
可愛いの致死量超えてる。
祭り先輩、恐ろしいよ。
怪しい陰陽師演じてたと思うたら、こんな、カワイコ親父を演じて、お次は誠実で初心な青年剣士っしょ?
底が見えないよ。
恐ろしいよ、祭り先輩は。
鈴木の頑張りって、見てて素直に応援できるんですよ。
バス乗ってる人たちに、祝福されるくだりとかむず痒い気持ちになったんですけど、作品のコンセプトとしてはありかな?と思えたっちゅうか、鈴木がね、舜臣が初めて感情むき出しにして自分が抱き続ける恐怖に対して吼えた後に、ぎゅうってその小さな頭を抱いてあげるんですよ。
お父さんみたいに。
ぎゅうって。
そんでね、舜臣が「早く強くなって俺を守ってくれよ」って言ったのを聞いてね、ああ、この二人は、物凄く絶妙の関係であり距離感を気付いているのだなって、なんとなく荒神の壺井さんとジンの関係性を思い出しました。
お互いがお互いを、凄く大事に思っていて、甘えるときは甘えて、でもお互いに干渉し過ぎない最高の関係。
舜臣は、どれほど自分が強く、そして鈴木の娘を殴った相手に対して怒りを抱いていたとしても絶対に手を出さないし、他のゾンビーズの子達も、鈴木に勝負の場を用意はするけど、「その恨み、おいらたちがはらしてしんぜよう」なんて事は言わない。
原作では、その部分に対し、何度も鈴木は心の中で「舜臣が代わりに闘ってくれたらいいのに」なんて思ってるんですけど、それはやっぱりやっちゃいけない事で、鈴木が自分の手で恐怖と怒りの対象を打ち負かさなきゃなんないという事が明確に提示されていた。

最後対決の間際、「本当の勇気が、心にあるのなら、戦う必要はないんだ」という舜臣の言葉に痺れました。
結果ってやっぱ大事だし、どんだけ頑張っても結果伴わなきゃ意味ないって分かってるけど、そういうのを全部理解したうえで、この言葉はほんとに凄い言葉だなって思います。
結果大事だし、過程ってもしかしたら、結果の前には取るに足らないのかもしれないけど、でも努力する事や、自分を高めるために必死になる事を、素直に素敵だと思える人間でいたいと思う。
誰かの前でこれみよがしに勝ち名乗りをあげなくても、本当の強さがあれば、誰も傷つけずに生きていけるんだろうなぁと、舜臣の強さが羨ましくなりました。

鈴木が、石原(須藤元気さん)を打ち倒して、殺意が高まって殺してしまいそうになった瞬間舜臣を見て、それから、二人一緒に空を見るんです。

あのときに、なんやろ、鈴木のおっさん飛んだんだなって。
空に飛んだんだなって感じました。

ゾンビーズの面々も個性的で、可愛くて、優しくて最高の奴らでした。
レボリューションNO3をまた読み返したくなったよ。

それから、忘れちゃなんないのが、有力政治家の息子の石原君(この名前って、某都知事皮肉ってる気がするのは私だけ?)
須藤さんは格闘家の方なので、ボクシングでインターハイ出場の設定にも説得力があったし、何より、憎たらしく、最悪な人間を完璧に演じられていた、少し狂気的な風情が素晴らしかったです。
や、ほんまに、憎憎しいんですよ!
そんで、威圧感があって、冒頭鈴木が圧倒されるシーンなんかは、ほんとに「一発殴りたい〜〜!」と思わせる悪役振りでした。
こいつ倒すには、相当鍛えなきゃ!っていう、ラスボスとしての迫力があったように思います。

と、まぁ、絶賛しきりの良作。
爽やかで、スカッと出来て、主人公が最後に勝って、ほんまに、お勧めです。
私は、大好きな映画でした。


とまあ、長々とすいません。
また、テキストコンテンツには移動予定。

それから、えーと、スマップさん達が、今大絶賛各方面に出演なさっていて、個人的にMステでのツヨシの魅惑のT字開脚には、目頭が熱くなったのですが、その後の僕らの音楽にて、しんごろりとくんくがお喋りなさっていて、その冒頭に、じゅんさんが、いや、轟天さんが、映られたことに仰け反りました。
ナレーション剛。
映像、轟天
一瞬とはいえ、私の二大アイドルの共演に動揺を隠し得なかったのですが、その一瞬は大事にDVD−Rに取って保存しておこうと目論んでおります。
私だけの仰天映像というか、なんというか、ほんまに、何か凄い嬉しかったり。
バンバカも、アルバムも発売日に入手してポスターと一緒に現在愛で中と言いたいトコですが、アルバムはまだ聞けてません。
また、此処に感想書くかもっていうか、ロボッツも是非感想書きたいなぁとか、また、夢見ています。