真夜中のヤジさんキタさん

観にいく前から「ついてける人だけが…」とか「好き嫌いのはっきり分かれる…」とか、そういう観客側の資格の有無が問われるような映画っぽい評判ばかりで、非常にドキドキしておりました。
「真夜中のヤジさんキタさん」
本日観てまいりまして、もう、ぶっちぎりで置いてけぼりであった事を此処に告白せねばなりません…(遠い目)
もうね、原作もばっちし読んでる筈なのに、話が分かんなくなるのよねぇん。
でも、何やろ、クンクらしい「筋の通し方」とかも随所にあって、生真面目な人やなぁってちょっと感動したんですけど。

てか、筋とか、多分ない映画なんだなぁとは感じました。

ある程度の、大元があって、で、その大元の周りで、とんでもない事が展開されてくようなね、うん、何か、映画の感想かかれてらっしゃる方とか、皆さん結構分析やきちんと、映画評やってらっさる方とかもいて、世の中には頭の良い人が多いのだなぁとぼんやり。
私はといえば、とにかく、出てくる人全てがひたすらめんこくて、そのめんこさに意識を奪われているウチに映画が流れていったような、そんな感じでした。

うーん、この映画を観た後で「私は分かったけどね」とか「全然ついていけて、クンクって超最高と思った」とかは言えない。
ドラッグがもたらす幻覚作用のシーンを分析して、「夢の中で、これがリヤルだと叫ぶ、登場人物の存在自体が、ある種の超現実的感に満ちているなぁ」とか、そういうことも言えない。
ただ、「長瀬が超カッコ良くて、可愛くて、七之助もすんげ可愛くて、仕草とか、それマジ狙ってやってんだろ!と方を揺さぶりたくなるくらい、色っぽかった」とか、そういうのなら言える。
「新太サイコー!ってか、超美味くね? 美味くね? 一目見て、爆笑しちゃったよ」とかは言える。
そういう楽しみ方でも、Okなユルさがある。
本質とかさ、大事な事とか、映画の訴えたいことは微塵も分からんだけど、私は、出演されてた皆が皆可愛かったので大満足ですな!

なので、映画について語れとかっつうのは、無理っす!
だって、分かんなかったんだもん!
ついてけなかったんだもん!

どうしよう、恥じた方が良いのかしら?
この頭の悪さを。

でも、ヤジさんが、キタさんの事があんましにも、好きで、好きで、好きで、髷に噛み付いちゃうのは、素敵だと思った。
純愛だと思った。
食べたくなるんだよね。
相手のことを好きすぎると。

考えてみれば、クンクさんの作品で、誰かの事を猛烈に愛している長瀬さんっちゅうのを観るのは初めてで、クンクさんは、いっつも長瀬に「モテモテの、でも鈍感で、変なトコに一直線純」な男の役をやらせていて、で、今回、全部当てはまってんだけど、ただ一つ「誰かを凄く愛してる」っちゅう部分は、今までになくて、だから、クンクさんは長瀬さんに「男女の愛」をして欲しい欲求はないのだなぁと思いました。
今回、相手が、男の人だから、過剰に出来たし、ある種の物語的手法で描く事が出来たけど、長瀬さんの男女の恋愛を物語的にクンクは描きたくないのかなぁと感じました。
だって、女相手だと、長瀬さんひたっすら格好良くなっちゃうしね。
今回、七之助さんが相手だから(男相手だから)、ああやって情けなくも、振り回されまくる役が出来たんやろうなぁと推測。
アレが、男女の旅物語だったら、長瀬さんの演じ方も、キャラも全然変わってたと思う。

でもさ、七之助さんも、こう、あんだけのイイ男振り回すに足る、色っぽさというか、可愛さがあって、演技力って=説得力っちゅうもんかもしれんなぁとか、ものっそいエラッソーな事を思ってしまったり。
あの、目玉の動きとか、首の傾げ方とか唇の形とか、全部めんこい。
しかも、目茶目茶演技巧いし。(巧いの基準が分からないくせに、とりあえず断言)
ほんま、可愛い、怖い、キレイ、色っぽい。
ま、アレですよ、だからさ、分かろうとか、理解してやろうとか、思うよりさ、ネタに笑って、登場人物の多彩さに目を剥いて、んで、ヤジさんとキタさんの可愛さに、目頭を押さえるっちゅう、そういう映画という事でようがす…と、ミーハー女は思いましたとさ。

個人的奮闘賞は、小池栄子さんと荒川良々さんに、差し上げたい!
どちらも、別々の意味で夢に出そうです!