白夜行

役者の私生活とか、そういうのと、ドラマ出来云々って、圧倒的に無関係だし、正直どういう性格の人で、どういう人生を送ってる人であっても、面白いドラマで、凄い演技を見せてくれるのならば、何の思いもないのですが、ちょっと今回のは、マスコミさんて、分かりやすいな〜って、呆然。

白夜行」主演・山田孝之に隠し子発覚
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060215-00000018-spn-entスポニチ


なんか、書き方とかが、とても好意的で、ベタベタとしていて、凄く嫌な気分に。
背後にある色んな大人の駆け引きとか、圧力とか、そういうのを見せるような書き方をするなよ〜とかって、歯噛みしたくなったり。
これ、今売り出し中の、ドラマで主演している山田さんだからだろうなぁ。
違う俳優さんだったらこういう書き方したかなぁ?


たかだか芸能ニュースだし、こういうケース一つとっても、相手によって書き方に格差が出るのだなぁっていうのは、重々承知しているのだけど、ジャーナリズムって一体なんだろう?とか思っちゃいました。



記事引用


2人はきわめて円満な話し合いをしたため、関係は良好。専門家に生活費や子供が成人するまでの養育費を試算してもらい、すべて山田が負担している。結婚に至らなかったという意味での“慰謝料”も支払っているようで、最大限の誠意をはらっている。

 若い芸能人の間で“できちゃった婚”が相次いでいる中、結婚という選択をしなかった珍しいケース。山田は中学卒業後に芸能界入りし、コツコツと演技の勉強を重ねながら、地道な努力で主演の座を獲得してきた。そのことは交際していた女性が「一番よく分かっていた」(親しい知人)という。役者として一番大事な時期であることを理解し、2人で出した結論だった。

 子供の母親であるかつての恋人の願いは、「家庭」を捨てるという犠牲をはらってまで選んだ道で成功すること。山田は、役者として、より大きく成長していく姿を母子に見せていくしかない。

って、これって、どうよ?
こういう書き方ってどうよ?

ああ、なんか、ヤだなぁ。
やらしいなぁ。
普通に、叩く記事のがなんぼかマシだ。

この文章の下品濃度の高さに、窒息しそうになるよ、私は。





まぁ、そんな気持ちながらも面白いものは、面白い!!って事で今週の白夜行

ま、ままま、松浦さーーーん!!!(涙)


渡部さんの本気振り絞りまくりの、本領発揮しまくりの、物凄い、もんのすげぇなんか見せてもらって、ひいいって、呑まれまくり。


あの亮司に刺された後、じっと抱き合ってる姿が、どうにも、こうにも親子のようにしか見えなくて困りました。

愛してたのだなぁとは思うのです。
松浦は、ちゃんと、自分なりのやりかたで亮司を、愛してたし、庇護しようとは思ってたと思うのです。
ただ、もう、圧倒的に愛情表現がへたっぴで、へなちょこで、ずるくて、小悪党で、小心者で、でもそういうのを全部あわせて出来上がった人が、綺麗な太陽の写真を鏡台にはっつけて眺めて笑っていたのが、ああ、この人も白夜行の下を歩く人だったんだなぁって、じーんときちゃって、あの最期の「ひどいよぉ…亮ちゃぁん…」って声が、全く怒ってなくて、ただ、惑ってるような、困ってるような、そういう子供みたいな声で、彼は庇護者のつもりで、亮司に庇護されてた子供だったんだなぁってしみじみ。
亮司がいなければ、本当に、完全無欠に孤独になってしまう、そういう人だったんだなぁって。
手をひいているつもりで、ひかれていて、背中を押しているつもりが、ずっと遠くにその背中はいってしまっていた。
不安な子供が、最後に犯した殺人という罪が、決定的に亮司に見捨てられる原因になったんだなぁって…。


たかられてもいいから、このままでいようと思った亮司が、「あんたなんかいらない」って言ってしまうじゃないですか。
松浦がその言葉聞いた瞬間、ストーンって、空っぽになったみたいな、痛くてたまんないみたいな顔を見せて、うわぁぁって、もう、泣いてましたよ、ええ、泣きましたよ。
わたしゃ、涙腺弱弱ですよ!


お母さんが、ずっと、自分の息子が自分の元愛人を刺し殺す姿を見ていて、お母さんは、息子の為に、償いのようにしてその松浦のところに乗り込んでいっていて、そういう、複雑で因果なすれ違いが、ぐううって悲しい。
お母さんは、お母さんなりに、息子を愛していて、そういうのが、ずっともっと前に、形にして表せていたら、こんなに歪まなかったんだろうなぁって、そればっかり。



あと、笹垣が!!!!!

もう、部下の、七味刑事こと、古賀刑事を殉職させてしまって、それも、若い奥さんと生まれたばかりの赤ん坊を残して逝かせてしまって!!
最期まで、古賀刑事は「警察官」でそれが物凄くかっこよかった。

虚しくないよ!
この、死は虚しくないよ!と思いながらも、ラーメンに七味いっぱい降りかけて、夕焼けの中真っ赤にそまって、悔恨し「すまんのぅ、すまんのぅ」と呻く笹垣のその横顔の凄まじさに、圧倒。
もう、武田さんは凄いよ。
凄すぎるよ。
ああ、もう、なんだろう、撃たれる。
何べんでも、武田さんに撃たれてしまう。


これで、笹垣は今まで以上に鬼になるんだなぁって思いました。
この人も、平穏な幸せからまた、遠ざかるんだろうなぁって。


雪穂が、亮司を抱きしめて「私がやったんだよ」って言うじゃないですか。

あの台詞が、すげぇ染みます。

もう、ああ、やっぱ、面白いよ白夜行