僕の歩く道 第一話 第二話

つまり、私の中ではこういう流れなのだろう。

健常者の大半が性格悪くて駄目人間なのと同様に障害者にも性格悪い奴や、ワルはいるだろう。 そんな部分を書かないところがTVの倫理であり、視聴者の感動なのだとしたら最低の倫理と最悪のセンスである。
カッコいい人殺しの障害者である百鬼丸は放送に耐えられなくて、凡庸でつつましい障害者ならよろしい。
これがTVの感性だ。(中略)つまらん倫理は捨てにいけ。
リリーフランキー著 日本のみなさんさようなら 「握手したら痛い奴」)

傷つきやすい人間に合わせてゆくのがやさしさだとは到底思えない。
安野モヨコ著 働きマン 第二巻 「VOL13 面接マン」)

みんな生きるために働くの。
僕の歩く道 第三話…うろおぼえ)


オードリーヘップバーンの顔面に配置された黄金比率の如く、私の中でこの三つの言葉が完璧な正三角形の位置に配されている。
つまり、私は、僕の歩く道を障害者ドラマというよりは「お仕事」ドラマとして見ているという事なのだろうか?
思い返せば、僕生きも、僕彼女彼女も、「働く」という事を中枢に据えた物語であった。

橋部先生は、「働く」という事で「死」という事を描き、家族を描き、そして今、「生きていく」という事を描こうとなさっているのか。

私の中の、スタンスは、リリーフランキーさんと一緒なのだ。
つまらん倫理で、エンターティメントである事を放棄している作品に私は微塵も興味はないし、純粋という事が決していい事ばかりでない事を知っている。
たかが、ドラマ風情が視聴者を「啓蒙」しようとして作られるだなんて、傲慢にも程があるのが実際の話で、没個性的な障害者像の受け売りに、最早「障害者」というキーワードから得られる必要条件を満たし熱演すれば、それは名演技だ、名作だ、倫理に叶った作品だと褒められ、果たして「人」を見せようとしているのかすら不明な、「人」と「障害者」を差別した逆差別的な作りの物語が世の常だった。

正直第一話、私はさほどテンションが上がらなかった。
静かな、静かな、始まりに、戸惑いすら覚えていた。
テルという存在を掴みきれず、都古のいきなりのヒステリックなラストを、どう消化していいのか判断がついてなかった。

だが、今日の物語の美しさはどうだ!!

興奮はない。
生きる道のときほど、私はエキサイトしていない。

されど、これは、この感情は、今までにないものなのです。

都古と母親の板ばさみになったあと、何も言わずじんじんの元へ歩いていくテルは素敵だったなぁ。
そのテルの後を、皆がバタバタと追っていくのも良かった。
じんわりとほがらかな、それまでの光景をひゅーって引きちぎってくような、白い軌跡の見えるテルの歩き方。

働きたいと思うという事。
働いていくという事。
自分に与えられた役割を全うしようとしている姿勢。

じんわりと涙が滲んだ。
分からないけど、陳腐な言い方をすれば、私の心に響いたという事なのでしょう。

橋部先生は、やっぱり丁寧で、美しい物語を書く。
辛抱たまらんなぁ、ほんとに。

この物語にはつまらん倫理はないでしょう。

全くもって、エンターティメントしてくれてるじゃないか。

純粋であるという事を、真摯に描いてくださっている。
純粋は、優しいという事ではなく、美しいという事ではなく、私が忌避するようなものでもなく、ただ、愛おしいものなのかもしれない。

テルは、どうなっていくんでしょう。
あの美しいお母さんは、どうなるんでしょう?
都古ちゃんは、あの単純なようでいて間違いなく深刻に絡まった家族は?
動物園の人たちは? 謎のロードレーサーは?(笑)
皆が幸せになる結末を心から望んでいるし、橋部先生なら、間違いのないレールの上を丁寧に一歩一歩歩いていってくれるのでしょう。

私は、これを障害者ドラマだとはやはり思えないなぁ。
これは、一人の働く男の物語だ。
来週も楽しみです。


あと、そうだ「役者魂」も見ました!
これも面白かったです!
個人的には、やはり松さんと森山君が並んでいると嬉しい「メタマク」ファン魂。

それから、ぷっすま
テルを見た直後にコレという、今まで「道」シリーズで嘗め尽くした辛酸を、またしても舐めることになった剛ファン達の心境やいかに?といった所ではございますが、今週も大変かわゆく、ええ、まぁ、個人的には、壁に繋がれたツヨシに、「やっほー!」と巨乳を眺めるユースケさんよりも陰惨な眼差しになってしまっていたことを認めざる得ないのですが、あと、ぐだぐだマジックのくだりが大変楽しくて、いつか、あの2人のマジックショーを胃に穴が空くような思いをしながらでも見てみたいものだと感じてみたり(マゾ感性)
今回はいいとこなしなナギスケでしたが、催眠術のくだりで大変可愛くぬいぐるみにじゃれている金子君を見て、「あ、これ、剛でも見たい!」としか思えない私からしてみれば、見所多い今週の放送に、かなり大満足なのでした!

そして、えーと、早くもう、東京行った時の話書いちゃいたい!と煩悶しつつ、今日もかけそうにない事に項垂れ。

うぐぐ、予定は未定だなマジで。

って事で、仕事がひと段落ついた瞬間雪崩れのように我が身に降り積もり「せねばならない事」リストでもちょと最後に、自分のために書いておこう。

  • 10月末の講演会に向けての準備及び、提出された各作品への合評を纏める。
  • 12月末〆の作品の題材となる「夫婦海女」についての取材の為に伊勢の「海の博物館」へ向かう事。
  • 書きたいのに書けてない山のような感想文及び小説をとにかくひたすら書く事。
  • ゆっきーと約束したまま出来てない幾つかの作品に手をつける事。(本の準備含む)
  • …なくしたっぽい健康保険証の再発行手続きorz(一年間一切病気しなかったからナイ事にすら気付いてなかったー!)

これ、全部終わるのかな??と不安に慄きつつ、今日はこれにて!!
おやすみなさーーい!