事故りました

一瞬だけ、真っ暗になった。
気付いた時にはいろんな人が、私の周りをうろうろしていた。
体がおこりにかかったように震えていて、足が痺れたみたいになっていた。

が、その時、私が真っ先に感じていたのは、ただただ、「やっちまった」という今のご時勢二時間サスペンスのドラマでも言わないような台詞で、私が別段「やっちまった」事ではないのだが、しかし、「やられちまった」という受身の感想よりは、「やっちまった」感が強い後悔の念まみれの出来事だった。

という事で、えーーと、

事故りました。

私の原付が、左折の際の車に巻き込まれまして、そのまま道路脇と車に挟まれて転倒というなんともありがちな事故なのですが、事故は事故です。
足がバイクの下敷きになったせいで、足が痺れて暫く立てず正直、動くのが怖くて、周りの人に促されるままに寝転がっていたところ救急車到着。
人生初の救急車は、事故被害者としてという訳で、大事になってく予感とは裏腹に、至って丈夫に生まれついたお陰で大した怪我もなく無事生還。
少々の打撲と擦り傷で済みました。

実は、三日ほど前に妹も接触事故を起こしており(妹は、左方向から飛び出してきた車にぶつかった模様)どちらもピンピンしているという事実を踏まえると姉妹で丈夫という現実に父と母から受け継いだ財産に感謝としか言い様がないのですが、下手に事故ったせいで、会社やら出向先やら、色んな場所がまた、ぞろりエライ事になりだしていて、あぐぐぐと、事後処理の面倒くささに俯く感じなのです。

救急車内部を観察したり、救急患者がどのような処置をしていただけるのかを肌身で感じたりして、それはそれで良い経験をしたのだなと、思えども、やはり事故というのは怖いものです。

加害者の方は、職場の目の前で事故を引き起こしたという事もあって、警察の方の立会いの下、事故証明から、治療費支払いに関する事、あと、バイクの修理費までお支払いいただく事に同意していただいたのですが事故の瞬間ってほんの一瞬で、もしかしたらもっと酷い事になってたかもしれないけれども、逆に、何事も起こらないまま過ごせたかもしれないというタイミングの出来事で、全身が酷い筋肉痛に襲われているかのように痛む現状に、やっぱり人生、一寸先は闇だと実感。
ほんと、明日どうなってるかだとか、明後日は、何が起こっているだろうとか分からないもの。
とりあえず、今回は「よかった。 生きてて」と思いつつ、泡喰って飛んできて下さった本社の上司が第一声「なんで、事故った時、うちに電話せんと出向先に電話したんや〜。 まずいやろ、それぇ〜」という情けな声であった事に、最後の落ち込みを表したいと思います。

ああ、しかし、ほんとに色々ある年だなぁ〜
占いをさほど信用しない私だけども、射手座はどの占いを見ても、大体「今年は大変だよー。 波乱万丈だよー」と書いてあって、ああ、当たっていやがると項垂れてしまったり。
基本、中流、安定を望む、平凡な性質の人間である事は自覚してるのですが、なんだろ、とりたてて騒ぎ立てるほどの事でもないけど、本人にとっては深刻なあれやこれやが今年は多すぎて、ほんっと疲れますねーー

と、ゆうことで、ただでさえ、くっそ忙しいことに加えてイレギュラーな事態が発生しまくっている現状ではありますが、芸術の秋、好奇心の秋って事で、事故ってしまった事でもありますし、イッセー尾形さんの芝居チケットを取ってしまいました。
三重県に来てくださるだけでも嬉しいのに(しかも超ご近所!)、尾形さんの芝居の演出をなさってらっしゃる森田さんが四日間に渡ってワークショップを行って下さるそうで、残業があれば、遅刻は免れないものの、夕方以降の時間に参加予約を入れてしまいました。
平田オリザさんのものとは違い、森田さんのは「言葉遊び」に主眼を置いたワークショップらしく、今から楽しみで震えていたり。
ただ、「ワークショップだー!」と喜び勇んで参加表明した際に、受付のおねーさんから「あと、尾形さんの芝居後にワークショップ参加生による発表会を行いますので、そちらにも必ずご参加下さい」といわれて、ちょとキョドりました。
発表会って、何よ?
尾形さんのお芝居を観に来たお客さんの前で何かやんなきゃいけないってことよね?
ううう、それは、やだなーー。

や、自意識過剰な学生の如き、この「やだなー」気分では有りますが、同時に、高校時代演劇部で、何かの流れと、その当時自己顕示欲の塊であった(いや、今もそうなんだけど)目立ちたがり精神で舞台で主演をやらせていただいた後に感じた、圧倒的絶望感と後悔、そして恐怖感が今も根強く私の中にありましてですねぇ、まぁ、でも、結局自己顕示欲女なんで、中途半端に張り切って、成果も出せず、自分で思っていたよりも悪しき評価もよき評価も得る事無く、っていうか、一切誰にも気にされずに、自分の中のトラウマをまた増やすだけで終了するんだろうなーと、後のダメージを考えて今から自分に言い聞かせておきます。

人前に立つ事の何が嫌ってさ、こうやって今から、色々考えて、自分に防壁を作らなきゃいけない事なのよね。
たかが、ワークショップの、たかが発表会如きに(しかも何やるかも全然分かってない)恥ずかしい位の言い訳をしている自分を見つけると、ほんとに、それ自体がトラウマになりうるほどにダメージなんですよ、マジで。
でも、イッセー尾形さんの芝居の演出やってる人のワークショップなんて、絶対参加しなきゃ!だし、このジレンマ何とかならんだろうか?
もっと、こう、こういう部分については単純に「やったぁ、発表会、がんばるぞー!」って言いたい。
素直に張り切らせてほしい。
うん、マジで言いたい。

そして、忘れたいけど、講演会もどうしたもんだろうなー。
これは、とうとう、お金頂く事を了承してしまったので、ほんとになんとかしないといけない。
今、送られてきた、高校生達の作品に目を通しているのだけど、一人、チビりそうな位巧い人がいて、それも凹む。
読んでて一切、私如きが「評する」という事が出来そうにない作品で、どうして、こんな人が三重に生まれてしまったのだ!!と、圧倒され尽くして亀の歩みの如き成長しか出来てない私が、最早心境的に講師になれてないのも恐ろしいな!
とりあえず、付箋をつけて一個一個書き込んでるんだけども、元より人の作品に「こーしたほうがいいよ?」とか言うよりは「此処が素敵」とか「ここが楽しい」とか、褒め言葉言う方が楽しい性質だもんで、かなり甘々な講師になりそうです。


という訳で、今週の「僕の歩く道

私は自分が、重度の「道」ファンであり、草なぎ剛ヲタである事も分かってまして、基本、ファンってコアであればあるほど、過分に語りたがるものなのです。
で、語れば語るほど、その語る内容が壮大になりがちなのも、私のブログをご覧になれば分かる通り。
意味のないものにまで意味を付加し、大げさな言葉でテーマを語る。
見たままでいいのに、見たまま以上の意味を求める。
で、この「道」シリーズって、もんのすごい語りたくなるんですよ!!
啓蒙ドラマとして受け止める気はサラサラないくせに、語り過ぎると、私こそが啓蒙家っぽくなってしまう現象をなんとかしたいのですが、第三話、うーーあーー、語りてーなーー!
無駄に壮大にしたいなーー。
基本、「美しい」という形容詞を主軸にして、語りを展開したいなーー。
佐々木クラリンが大層萌えだという所を始点にして語りたいなー。

とにかくあの兄弟の美しさはなんだ!(即効使うよ?!)
テルを問いただす時の、お兄ちゃんのお顔といったらノーブルを極めて、最早「宮様!」と心は一郎ちゃんが行く!を観劇する乙女の気分である。
顔がもう、きれいだからさぁ、あの真っ白兄弟は見ていて眩しすぎる。
「お小遣い帳」を差し出しているテルの顔もいいのだ。
可愛いのだ。
不安げな眼差しが堪らないのだ。
私の眼差しは、再び陰惨になるのだ。
ほんとに、造形的には物凄く美しい兄弟じゃなかろうか?と惚れ惚れする大竹兄弟なのだが、今日は妹のりなも、大変惚れ惚れする美しさであった。
あの母にしてこの娘ありの美しさ具合なのだが、甥とのやりとりは本当に絶品だなぁ。
説教臭くなく、子供と対等の視線で、きっとさしたる使命感もないままに、それでも自分の兄をああいう風に語り、甥の心を動かす役割を、完璧に果していた。
あと、須賀君は嫌んなる位達者なので、大変嫌んなる。
私は、須賀君の演技を、コミカルなドラマだったり、明るいドラマでの、明るい子供役や、こまっしゃくれた子供役でしか見た事がないので、今回のような深刻な立場にいる(幸太郎君は、一番ストレスのたまる辛い立場だと思う)役を演じているのを見て、ああ、もう、達者だなぁとしか感じようがないのです。
「五千円頂戴」って、さ、凄い言葉だと思って。
須賀君の口から聞いて、さらに、「なんて、嫌な言葉なんだ」って思い知らされて、テルから取ったお金で遊んでもちっとも楽しくなかろうに…ってゲーセンで遊ぶ、横顔に見入ってしまっていた。
大げさな台詞回しなんて一つもなくて、やっぱり淡々としているのに、どうしてこんなに綺麗なんだろうなぁ。
橋部先生の言葉一つ一つに感銘を打たれるのは、何気ない言葉の美しさを、これでもかと思い知らせてくれるからであり、言葉教信者としては、拝み倒さんばかりに、橋部さんの書く台詞は、慎ましやかで、清廉で、時折衝撃的で、美しい。
今のところ憎まれ役を一手に引き受けている、兄嫁の真樹さんも、憎まれ役の名に恥じない無神経さと、心無さが素晴らしくて、個人的に一番注目して最終話まで見届けたいキャラランキング一位をぶっりぎってくれています。

しっかし、テルは、本当に可愛い顔をしていていやんなるなぁ。
冒頭の、都古ちゃんと、不倫相手の雅也の間にちょこんと座る時の顔なんて最高だったじゃないですか。
あと、カレーを三浦さんと並んで食べてる時の空気もいいなぁ。
三浦さん役の、田中さんは、「白夜行」で主人公の素晴らしい悪っぷりを見せてくれていて(私は、彼が主人公を脅すシーンに見せた姑息且つ嫌悪感をたぎらせずにはいられないその卑小な表情に、胸打ち抜かれました)三浦さんとテルがもっと、仲良くなればいいのに!!と、心底お祈り。
この2人が並んでいるところも大層美しくて目の保養ですね。

とにかく、とっても目にも楽しく、内容的にも興味を惹かれていく自分を抑えきれない第三話。
来週も楽しみなのでした。