マッチャーのブログ

いまや、演劇FAN、スマFAN共に魅了してやまないマッチャーのブログを私も大層楽しみに通い詰め、その上、その更新頻度の高さに「マッチャーって、三人位おるんちゃうん? そやないと、あんだけ忙しいのに、あの更新頻度はすごすぎやろ」と感嘆の念を禁じえないのですが、ちょっと先日の前後編で書かれた「演劇の値段」という記事が興味深かったので、言及。

お芝居に真面目に誠実に取り組んでいる人ほど、芝居の値段というものを気にしてらっしゃるんだろうなーと記事内容を読みながら考えてしまいました。
私は、此処最近でこそ値段の幅がある観劇ライフを送ってますが、つい先だってまでは「とりあえず好き役者が出てるもの」を観に行く基準で芝居は観ていて(それは、絶対的に悪い事ではないし、ミーハーである事は私的に恥ずかしい事ではないのですけどね)そういう中で、芝居一本の値段が、どうしてもお高めのものがラインナップ的には多かったりしました。
5000円以下の芝居って殆ど観てないんですよね、実際の話。
値段が高ければ面白いかっつうと、もう、ぜんっぜんそんな事無くて、むしろ4500円とか、3000円とか、ちょっとよい食事くらいの値段の芝居の方が、創意工夫がなされてて面白かったり、想像力を刺激するつくりになってる事もあったりしたのですが、それ以上に、マッチャーのブログ読んでいて思ったのは、学生時代に聞いた平田オリザさんの講演会のお話でした。
平田さん、その時のお話のテーマは地域社会における演劇の役割となっており、一人一人が持つ「コンテクスト」(文脈という意味なのですが、公演においては言葉の範囲という意味で使われていました)の差異の話を導入部として、最後は人間の価値観の差異についてのお話と、その価値観の違う者達が「コンテクスト」の摺り合わせによって、違う価値観を認めあったまま共同体として成立する演劇という場の在り方についてのお話をお聞きしたのですが、その中で演劇の「役割」について、「救い」の面もあるというお話をされていて、つまり今日本では交通事故で死亡する人の数よりもね、自殺者数のほうが多いそうなんですよ。
その時に、文化は、芸術は、演劇はそういう人たちの救いとなり得るものであり、そういう面に着目して国からもっと、演劇を守り立てていくための補助金とかが出ればチケット代も安くなって、よりたくさんの人が演劇を見れるようになるのにねという話をされていたのです。

で、もう一つは浅野忠信さんが、雑誌で語っていた話なんですけど、彼は映画俳優と断言できる位映画のお仕事を主とされてる人で、だからこそ、多分凄く映画の世の中におけるスタンスや役割について色々考える機会も多い方だと思われるのですが、マッチャーと同じように「映画の料金が高い」と仰ってらして、俳優さんでそういう面についての発言をさせる人自体が珍しかったので、よく覚えてるんですけど「800円位で観れるようになったら、もっとたくさんの人に観てもらえるのに」なって言ってて、そうかやっぱり、映画もそうだし、演劇もそうだけど、「もっと開かれた文化」になるべきものなのかもしれないなーと、マッチャーのブログでトドメを刺されたように思いました。

値段って、かなり重要な問題ですよね。
私、何も考えずに同じ芝居を繰り返し観るのですが(そのことに後悔はないのです)新感線なんかは一回1万以上がザラで、友達を誘いたくても誘えないし、凄く面白い、とても一般受けのするような大衆的な芝居をしてると思うのに、値段のせいで観に行く人が限定されているっていうのがね、なんか寂しいなぁとも思うんですよ。
いのうえさんがやりたいことを、やりたいようにやった上で、もっとチケット代が押さえられて色んな人が、それこそお芝居なんて見た事ないやい!って人が気軽に、きがねなく観にいけるようになれたら、それって凄く素敵なことなのになぁって考えてしまいました。

マッチャーのブログには、とっても真摯な事が書かれていて、「値段に見合う以上の物を作りたい」という演劇人の心意気に満ち溢れ、マッチャーすげー、ハンサム!と心打たれたのですが、同時にPiper後藤大王と現在凄く楽しい日々を過ごしてらっさるユッキー嬢が本人の口からお聞きになった、「一生懸命やってる舞台なんてだめだ!」という言葉にも一理あるし(カンケーないが、此処最近ゆっきーから送られてきた写真のコースが物凄い。 まず、粟根氏とのツーショットを決めた後、イッセー尾形と小粋に撮って、その上、今度は大王に肩を抱かれている写真が私の携帯にこにゃにちわしていた。 どれもこれも、一級品に可愛く、妹と眺めては「もう、この人は、どこに行こうとしているか読めやしない、読めやしないよ」と呻くばかりだが、大王との写真なんか、ほんとにかわゆいんだ。 Wかわゆいんだ。 私は、アラブとかの大金持ちが愛人とパチリな写真にしか見えなかったんだ。 やぁ、このお宝写真の数々はどうしたものだろうなーー)、当然マッチャーのゆってる事と相反する事ではないんだよなーと考えてみたり(ただ、マッチャーのゆってはる、「病んでるよあんた達」の舞台の心当たりを思い出してみると、ちょっと怖い結果になったので、余り深くは考えないでおこう、そうしよう)

観客なので、すっごいシビアに言えば「値段に見合う以上の面白いものが観れれば、どんな心根で演ってようが、構わない」という心境が私の中にはあるのですが、でもさ、マッチャーみたいな人が、マッチャーみたいな心意気で芝居を作ってくれると、なんか、安心するし、嬉しいんですよね。
見る側ですけど、やっぱ芝居好きですから。
真剣であって欲しいじゃないですか。
ふざけた芝居も真剣にふざけてて欲しいじゃないですか(これは、粟根さんが赤猫宣伝でおっしゃっていた事でもある)

とにかく、マッチャーがどんだけ芝居が好きか、芝居に対して真摯かが伝わってきたので、ごろさんの舞台の「魔法の万年筆」出演の彼も、要チェキですぞ!って、大阪取れるのかしら!!!