犬と私

momizipart22007-06-14

演ぶモバイルの、ユビキタを読んだところ、粟根さんが大変贅沢な事を仰っていて、「わぁ」とちょっと声に出して呟いてしまいました。

修理に出すXBOXを、修理期間待てないからもう一台買っちゃうぜ!って、どこの大名だよ!と、我が家の最新ゲーム機がDSで止まっていることから鑑みても、心から突っ込んでしまうのですが、いらないだろー。
いらないよー、あの黒い機体は二台もさぁぁ、と腰に手を当ててそう言いながらも、同時に「ユビキタ読者プレゼント、読者プレゼント」と、餓鬼の如くの表情で祈る私もあったり。

いやいやいやいや? だってさ、考えても見て下さいよぅ!(握りこぶしをぶんぶん振り回しつつ)
XBOX二台も、使いようがないでしょ?
そんな、二台も使って遊ぶ環境とか、友達とかないでしょ?(真顔で)

そしたらさ、あげればいいじゃん。
YOUあげればいいじゃん。
ユビキタ読者に、抽選であげればいいじゃん。

キャラメル役者にシャツあげるんだったら、ファンにはXBOXくれよー!(暴論)

応募すっぞー?
普通に欲しい。
普通にXBOX欲すぃ。
カタンやってみたい。
ボードゲームの奴買おうとしたけど、四人も集まるアテがないので諦めたから、XBOXで遊べるならやりたい!

ユビキタ読者というのは、それだけで人数限定されてるし、結構応募し甲斐のある抽選プレゼントだとは思うのですが、ただなー、案外というか、多分、自明の理として小劇場周辺関係スタッフ・役者含めてヲタが多そうだし、ゲームヲタでなくても、XBOXは欲しい人多々ありそうなので、叩き売り先は幾らでもありそうなのがなぁ…。

まぁ、そんな感じで、「少しの不在も我慢ならない程の執着」をXBOXにしている粟根氏に、「趣味人というものは(ていうか、ゲーヲタ?)そういうものなのだなぁ」と思いつつ、自分にもそのようなものが何かあるかなぁ?と思いを馳せてみたり(というのも、仕事が面倒臭い入力と確認作業で、思考がトリップしやすい状況だったのです)

本は、今は然程だし、PCもないならないで、仕方ないと諦めも付くでしょう(最低限の確認とかは、携帯でできるようになってるし)
テレビ…は、うーん、結構辛いかもだけども、スマ関係だけ録画を友達に頼むなり、アテつけるなりなんなりすれば、まぁ、大丈夫だから、えーと、えーーーと、と唸りまくって、ハタと思い出すは、少しの不在も寂しい存在といえば、そううちの愛犬だったり。


←我が家にきた当初のコタ。マルベール堂に飾ってもらってもいいよ!と親の欲目で言ってみたり。



こーーれは、寂しい。
本当に寂しい。
長期の家族旅行の際は、動物病院に預けていくのですが、受付時間に間に合わなくて、愛犬の引き取りにいけないときなど、家の中で、いつも愛犬のおる場所を無意識に訪ねて行っては、その不在を思い出し、「つまんなーいの!」と呟く程度には寂しいです。

とはいえ、不在だからと言って、新しいのを買ってくるわけにもいかない子なので、我慢して会えるまで待つしかないのですが、まー、こいつがさー、私に性格が似てるというか、なんというか(あ、外見は伊藤英明に似てます。 母とも意見が一致したので間違いがないです。 つまり、アニータにも似てるという事です)物凄い、アホ且つ忘れっぽく、先を見通さないのですよ。
危機回避能力ゼロ!っていうか、最早マイナス!


←こんばんわ、俺、伊藤英明っす!


自ら然程の覚悟もなく危険に飛び込み、当然の如く酷い目に合い、「くひっ」と妙な鳴き声を上げて、逃げ惑ったり、呆然としたり、身を縮めている姿を見ていると「その臆病さに見合わない、見通しのない好奇心と大胆さと知能の低さは誰に似た」と肩を掴んで揺さぶり、真っ黒な目で「や、お前だよ」と、見返されてしまうのですが、先日は酷かった。
本当に酷かった!

先週の、土曜日のことなんですけどね、仕事が休みって事で、私がコタの散歩を請け負っていたのですよ。
まぁ、週に一、二度しか出来ませんし、私としても、家に帰宅時はどれ程嫌がられ疎まれようとも、顔を両手で挟んで頬ずりを辞さず、暇な時には後ろから抱きしめ「マジンガーZ」の替え歌を絶唱(ダンダンダダンダン♪の所で、両足を交互に動かすのは必須。 興に乗れば、「ガッチャマン」の替え歌突入)、中型犬の抱かかえて移動するにはちょっと…という身体を、激しい抵抗にあいつつも抱かかえ(最近は寝転がって仰向けになり、私に蹴りをくれる事で阻止するという事を覚えやがりました)椅子の上でギュウギュウと締め上げ、「解放して欲しかったらチューしろ!」と、訴えられれば勝てる気がしない!というようなセクハラも日課とする程に可愛がっている愛犬なので(最早虐待)、結構楽しんで散歩はしているのですが、私と同じく無軌道というか、歩いている時、他の事を考えていたり、視界に入った興味を惹くものを追うのに精一杯で道をちゃんと歩くという最低限のことすら覚束ない私と全く同じ、フラフラと右に左に行ったり来たりし、いきなり走り出したり、立ち止まって動かなくなったり、斜めに身体をかしげる勢いで私を振り回してみたりの大はしゃぎなコタに、私も「ああ、私と一緒に歩いている人は、同じような鬱陶しさを感じているに違いない」と自分が方向音痴の理由すら垣間見つつ、遠い目をしながら散歩を続行。

犬は飼い主に似るといいますが、ほんとに性格は誰よりも私に似ていると自負する程に、歩き方一つとっても酷似!としか言いようのない姿に戦慄すら覚えつつ「あー、コタちゃん! その歩き方で分かったわー!」と声を掛けられ、結構近所の犬を飼ってる仲間の方々の間でも有名なウォークを決めつつ、散歩の定番コースでもある、田んぼ道
に差し掛かった時でした。

いつもは人通りもなく、車通りも少ない道なのですが、その時は、田んぼ道の入り口近くにある貯水池の脇にジャージ姿のおじさんが座ってらっしゃって、じーっと携帯ラジオを聞いてらしたんですよ。
大分大音量で聞いているのか、野球中継か何かの実況が盛大に音漏れしていました。

そいで、その傍を私とコタが通りかかった時に、下を向いていたものだから、コタの姿が目に入ったのでしょう。
何を思ったのか、ふっと顔を上げて、こっちに手を振ってきました。

私は、反射的に、ひょいと頭を下げた後、何だか少し怖くなって(そのすぐ傍の森には墓地もあったものですから)足早に通り過ぎました。
それから、一分位してからでしょうか。

後ろからね、ラジオの音が聞こえてくるんです。

少し離れた場所から、野球中継の音が聞こえてきて、足音とかもしていたのでしょうが、その時は正直ラジオの音ばっかりが気になって、「あ、後ろついてきてる」と分かりました。
今思えば、おじさんがラジオの音量を上げたのが、長く聞こえていただけかもしれないし、何だか不安感があったので、遠くになって行くラジオの音が、それでも幻聴のように耳に残って、存在感が実際よりも大きく聞こえ続けていただけだったのかもしれません。

でも、その時は怖くて振り返れないし、音は近くもならず、でも、とにかくずっと聞こえていて、墓地の前を通り過ぎる一番薄暗いところで、お化け屋敷も、ホラー映画も駄目な私は、いつもなら平気な場所なのに、背後の恐怖と合わさって焦燥とか混乱とかがピークに達してしまいました。
ぎゅうと手綱を握り締め、見下ろせば呑気なコタが「あう?」と見上げてきます。

当然…走るべ?
怖いし、咄嗟に人間逃げるべ?

すると、当然、犬も走るべ?
犬、全速力べ?
ていうか、大喜びだべ?

俺、弾丸!の勢いで駆ける犬と、当初自分から走り出したにも関わらず犬に引き摺られ「あ、これは不味い」と青くなる私。

止まらない犬。
当然止まれない飼い主。

そんな二人の行きつく先は!ていうか、田んぼ道歩いてたんだから、当然、あれですよ、用水路ですよ。
犬、一応、犬なので本能でカーブとかも、綺麗に曲がって田んぼ除けますけど、飼い主、除けれませんよ。
だって、私ですぜ?
回避能力皆無の私、そのまま、なんとか踵でブレーキかけつつも、ずるうりと、こう、情けない感じで用水路に片足を突っ込みまして、幸い今は野放しにされている田んぼだったので、用水路にも水はなく、下に生えているコケが靴底にぬるっとしただけなのですが、そのままこう、勢いで転倒しそうになり、慌てて草を掴んでこけるのを阻止したところ、ぶちぶちっとね、ちょっと手の皮を切りまして、切った瞬間は、ひりっと熱いんですよ。
で、それがビリビリと痺れてくるというか、切った当初はやっぱ、状態がわからないのもあって、凄く痛く感じてしまって、「いったー!」と叫んで、それでもこけないよう体勢を整えてから用水路の中でうずくまって手の状態を確かめる私を他所に、漸くストップしたと思ったら、要水路脇にて用を足している愛犬との対比が、なんか、もう、切ない感じだったのですが、何とか用水路から這い上がりまして、「う、ううう、うー、お前はー!」と怒鳴りつつも、ぎゅうとコタを抱きしめようとしたところ、普段その体勢から私が抱き上げるものだから、「また、抱っこされる!」という危機感を抱いたのか、私の草で切ったばかりの手をね、こうね…、うん、こーうね?

何故、噛む、コタよ??

や、普段も、いやっ!ていう時は、「うー」と唸ったり口を大きく開けたりするものだから、わざとその口に手を突っ込んで「噛むな!」と怒ったりしてますし、向こうも絶対に本気で噛む事はないのですが、この時は動揺もあって、「あむ」っといかれまして、それでも甘噛なので痛くはないのですが、こーね? 傷口をね? 舌が舐めて、「染みるーー!」みたいな! 泣きっ面に蜂みたいなね、そんな感じで、犬に手をくわえられたまま打ちひしがれてみたり。

あと付けられて、走って、止まらなくて、用水路落ちて、今飼い犬に手を噛まれている。

この情けなさというか、ちょっとした間抜けさ加減は自分的にも手よりも心に響く痛さがあって、私の手を加えたままの犬の様子をじっと見てみるのですが、犬は犬で、いつもの如く「あぐあぐ」と私の手が喉につまって、何とか吐き出そうとおぶおぶしており大変そうだったので、そっと手を抜いておきました。
まぁ、どうにもこうにも情景が間抜けすぎて、もうどうでもいいよ!と投げやりながらも、犬を飼って四年目にして「散歩のときは、とりあえず、急に走るのはよそう」と、今更決意。

あと、後ろ見通してみても、ラジオのおじさんいなかったし、きっと不安感のせいの幻聴だったんだなと確信したのですが、そうなると余計に自分の臆病さが情けなくて、「もう、あんまり暗くなってからは散歩いかん、怖いから」と心に決めるのでした。

←帰宅後の姿。 私もすぐ傍でへばってます。