東京での日々 三日目 前編

とゆことで、三日目、最終日は、ゆっきーさんの大王ワークショップ仲間の方と美味しいハンバーグを戴くところから始まりました!
ハンブルグなんたらハンバーグとか言う、銀色の包み紙に包まれた大きなハンバーグと、ポテトに、トマト丸ごと一個の冷たいサラダにフランスパンまでついたボリューミーなランチを勿論綺麗に平らげ、たくさんお話を聞かせていただいて、大満足のまま、今度は、一日目にもお会いした面々(除くMんがさん うぐぐ、また遊ぼうねー!)と一緒に美味しいコーヒーのお店へ。
キビキビと案内してくださるK姐さんの後ろをアホの子のやうについて歩き、これまたおされなお店に到着後、おいしそうなケーキがウィンドウに並んでいるのを見て、自分のお腹が満腹である事に歯噛みしたり。
だーーってーーー!! チョコケーキとか、色々さぁ、美味しそうだったんだもんーーーって事で美少女に一口頂き、「ぎゃー 旨いーー ばかーー!」と悔しがりつつも、いじましく口の中を舐めまわしてみたり。

その後ですね、えーと、うん、Kとこ姐さんと、もう、何があったのが、どうしてそうなったのやら、「新撰組!」の話で大盛り上がりになりましてー、ええ、なりましてー、私がどのくらい組!が大好きかといえば、私が今まで見たドラマたちの中で、どれが一等好き?とゆわれたら「新撰組!」とすぐに答えられちゃう位、みんなが大好きで、大好きで、大好きで、堪らない人なのですが、やー、Kとこ姐さんも凄く「組!」の話に熱くなって下さる方で、そっから、一人一人の隊士の思い出話になり、それぞれの最期を思い出しては目頭を熱くし、ていうか泣き、鼻をすすり、キラーキーワード「源さんの最期」(恨むぞNHK!!)といった状態まま、もう、何がなにやら、なぜか、そこで、感情がその日一番の盛り上がりを見せまして、ああ、やはり大の大人二人をここまで夢中になって語らせるあのドラマは素晴らしかったのだ等と確信しつつ、その時点で憔悴。

その後店を後にし、劇場に向かいまして、えーとここから下は、感想&ネタバレになるので、ううん、もう上演期間も終わってますし、いいかなー?と思いつつも一応隠します。


テキストコンテンツに移動させるかも?だけど、とりあえずはブログに書いておきますねー


あ、一応、これは私個人の意見・感想です。


ご意見等は受け付けますが、誹謗中傷の類は受け付けておりません。




苦情の手紙は、舞台に並べられた三つの椅子に三人の演者が座り、正面を向いたまま、台本を読むという形式で薦められていました。
暗い舞台上、照明で、スポットを当てる事によって、その時「しゃべる人」(つまり物語上にいる人間)を示していました。

向かって正面に升さん、左側に粟根さん、右側に大和田さんがお座りになりまして、役柄は、升さんが「下の階の人間から異常に神経質なクレームの手紙を郵便箱に入れられ続け、その手紙によって不幸になっていく男」大和田さんが「上の階に住む男の生活音に対して過敏な反応を示し苦情の手紙を送り続ける女」そして粟根さんが「お調子者」(わぁ)という配役になっていますって、粟根さん、ほんとに、ほかに言い表しようがないのだもの!!!!

お調子者というか、まぁ、芝居の筋の引っかきまわし役ですねーー

升さん演じる男の元・会社の後輩役で、男に出会い系サイトのサクラメールを送ったり、ア○ウェイな商品を売りつけたり、美人局をしてみたりと、まぁ、やりたい放題っていうか、見てるだけで軽くイラっとクる程にはフリーダムな状態でした。

何? そのバリアフリー? 自由自在か!と呆れるばかりの無重力状態と、かなり正統に演じてらした升さんとの対比が、こう、温度差として目に見えそうな程に鮮やかで、「ああ、ふざけるという事が、こういう効果をもたらすことがあるのだなぁ」と実感。


お話の筋としては、女が送り続ける苦情の手紙の全て真面目に受け取り、理不尽なもののいいにも一切逆らわず、また、元後輩のサクラメールや、脅しの偽メールにもことごとく引っかかり、ひどい目にあい続ける異常なまでの「人の良さ」を有する男の滑稽さを笑うような、そういうコメディになっているのですが、かなり演者によって話の筋自体までもが左右されそうな、そういう構造にはなっており、ほかの演者さんのも(できれば、津田さんの日が良い!)拝見したかったなぁと感じてみたり。
そもそも、「お話」の持つ説得力自体は、さほどない(たぶん、役者に重きを置いた内容になっているので、それはわざとなのでしょうが)そういう物語でしたので、演じ手の性質や、解釈が、ストレートに伝わってくるような、むしろ書き手や、演出といったものよりも、まさに「役者の芝居を聞く」為の劇だったように思えます。



お話の全体を貫いていたのは「困っている人を笑う」という事でして、これはイッセーさんの演出家の森田さんもワークショップにておっしゃっていたのですが「イッセーさんがどれだけ困ってるか。 どんな風に困ってるのかっていうのがお客さんは面白いんだよ。 だって、滑稽だろ?」とおっしゃっていた事を思い出さずにはいられないほどに、「滑稽」ということがメインテーマの劇だったように思います。
とっても不幸で、悲惨だけども、どうにもおかしい。
かわいそうなのに、滑稽という、「笑い」の王道を突っ走るような筋と、主人公の底抜けなまでの人のよさが、演じてによっては「イライラするキャラクター」にも、「心配でほっとけないキャラクター」にも、また、逆に「その限りない優しさによってむしろ頼もしげなキャラクター」にも変化しそうで、そういう意味では、よく出来てるなーと感じてみたり。
役者の解釈ひとつで変わるキャラクターと、その組み合わせによって物語は、とてつもない広がりを見せそうで、やっぱり別の組み合わせを見たかった!と思うのです。


密度が濃いということもなく、ことのほか「印象に残るエピソード」というのもない、ある程度の流れが読める話ではあったのですが、その分、役者にゆだねている部分の多さゆえに、「さぁ、どういう次はアプローチをしてくるのか?」という楽しみが大きかったような気がします。

てことで、各役者感想を短く。



升さん

イライラする寸前の絶妙な「大人さ」が、升さん特有のバランス感覚を感じさせました。
お人好しで、優しくて、純粋な間抜け。
この人がお話の根幹を担っておりこの人の困り方こそが、メインテーマを請け負っていた部分なわけであって、やぁ、本当に正統に、お遊びもなく、真っ当な解釈で演じていなすったように私には思えました。
もう少しお若い方が演じられたら、もっと「優柔不断そうさ」が増したのでしょうか?
愛すべき行動の多いキャラクターであるという前提の上に、升さんの朗らかで、困ってるときは心底困ってるんだと伝わってくるような分かり易い声音と、大きく動く表情がどうにも可愛らしく、「ああ、困った!」と一緒に困ってあげたくなるような、手を差し伸べてあげたいような、このまま困らせときたいような、なんとも軽妙で、憎めないキャラクターになっていたように思います。
芝居の流れだけをかんがみれば、この男も十分「異常」で「逸脱」しているように思えるのに、これが升さんが演じていると「そうならざる得なかった」ともいうような、この人こそが「常識人」であるような認識にさえ囚われ始めて、ちょっと混乱。

だって、絶対おかしいんですよ。
あんなに何も知らなくて、あんなにだまされて、誰の言うことでも聞いちゃうような、そんな人、むしろ「異常」なんです。
なのに升さんが演じてると、それが「普通の人が、ただただ、自分は一切悪くないのに、困った事態に巻き込まれていってしまってるんだ」ともいうべきような気になってくるから本当に不思議!

その位、真っ当に、そして良い意味で「近所の人や、立て続けに襲ってくるトラブルに翻弄される普通の男の人」があの舞台には在ったような気がするなぁ。


大和田さん


この人も、ただひたすらに分かり易く「異常な」人だったのですが、三人のうちでも特に「声の緩急」が重視されるような、感情の浮き沈みの激しい(そして切り替えの早い)演じ方をなさっていて「おお、この人も正統!」と思わされました。
ものすごく素直に演じてなさったように私には見受けられた。
先ほどまで冷静であったのに、いきなり声を荒げてみたり、突如無表情な声になったり、うろたえてみたりと、かなり感情豊かに演じてらっしゃるような気がして、升さんと同じく「異常に寂しがりやな人」ともいうような、行動の割に「普通の人」の下地が残っていることが、むしろラストの赤い照明の中でたたずみながら笑う顔を、恐怖心を持って眺めさせてもらった要因になっているような気がします。

つまり、「落差」をラストとそれまでの姿に感じたというわけですね。

もう少し年上の役者さんもしくは、もっとお若い役者さんが演じてたら、しゃべるスピード感とかも変化があったののかもしれません。
もっと早口なら、きっと「ヒステリック」な印象が強かっただろうし、逆にゆったりとすれば年季の入った「クレーム命の異常さ」を見出していたかもしれないなぁ。
すごく素直な人のように見えたので、それは大和田さん自体の性質も絡んでいるのかな?とか余計なことまで考えてみたり。

出来事だけを見れば寂しい人というのが、根幹を貫かれているような気がするのですが、加えて大和田さんの声質や外見上から見ると、「友達が出来ない人」の寂しさを感じたといいますか、人間への距離のつかみ方を知らないようなキャラクターが浮かび上がってきまして、小動物が爪を立ててフー!!と唸っているような、ある意味今流行の「ツンデレ」に通じるようなキャラクターに見受けられました。
あと、滑舌が大変よく、台詞が聞き取りやすかったのもよかったなぁ。
ラスト、引越ししていく男へ、ここにいて欲しいのに、それを言えずに「あなたがいなくなってせいせいします。 でも、引越しの音に不快感を覚えるので、せめて最後は私に気づかれないように出て行ってください」という主旨の台詞が、ちゃんと切なくて(ここは、凄いと思いました。 あの流れの中で、それでも女を真っ当に演じ続けるということのメリットは、この最後、客に「せつなさ」を覚えさせるという効果を狙う事においては一番正しいアプローチのように思えました)それゆえに、ラストの逃げた男を追って隣のアパートへと引っ越してくるという、ある種ありがちなラストも背筋が寒くなるような、どうしようもな狂気を感じさせるような気がしました。
男は女に人生を狂わされたと感じていただろうども、この女も男が許し続けたからこそ、狂気を加速させ、人生を狂わされたのだなぁと大和田さんの演じ方を見て、そう感じる帰途が出来ました。


・粟根さん

えー、楽しそうでした。












わ か っ て る よ ?!

これだけじゃ、だめなの、わかってる!!! けどさー、ほかに何をいえようか? このお人に?!
だって、超遊んでたし! 超ゆるいし! 粟根さんの「ふざける」基準が、あくまで「顔芸」やら「声芸」で表現すると、ああいう種類のものになるのかと思うと、何と言うか、こう、うん、こう…ね?

特に、出会い系ということで女性口調のメールが結構多かったのですが、これが、もう、ひどい!
ひどいよ! ひどいけど、可愛かったよ!
しょうがないよ!
いいよ、ひっかかってやるよ!!! いくら欲しいんだよ!!(錯乱)

だって、もう、あれ「粟根が演じてる」のありきじゃないっすかー!!!
くううう、医学部の学生とか酷かったよ???
「精液の採取の実験に…」とかって、酷かったよ?
あと、占い師とかも酷い! あれは酷い! あれは、ぜひ新感線のメンバーやいのうえ先生とかに最前列に陣取ってもらってプレッシャーをかけて欲しいくらい酷い!
古田・橋本・いのうえが腕組をしながら、眺めてやって欲しい!(でも、橋本さんは優しいので、手をたたいて笑ってあげてそう…)
やらんだろ? 劇団員の前ではやらんだろ? あの占い師は!

なんて、大雑把!!!

なんて投げやリズム!!

その深みのなさと、役柄を掘り下げてなど一切いません!という清々しいまでの、わかりやすさ具合こそ、粟根さんの面白さの真骨頂!!

て い う か!

ど、どうなんだろ? 
粟根さんの占い師イメージがあの、年老いた感じのひょろひょろ〜としたまだるっこしい、しゃべり方だとするならば、いろんな意味で絶望を覚えるよ!
あとさ、女性声だったら、喉声で!というわかりやすさも、最早愛おしいねー
頭の弱い役なら、舌足らずに!とか、老人ならばやけによぼよぼして!とか、何か明確な芝居に対する粟根メソッドがありそうで、それが知りたい!と切望してしまいました。
すううごい、表層的で、逆にだからこそ舞台としてみるには、そのわかりやすさが伝わりやすさになってるのかしら?とか考え込んでしまったり。

これは、楽しかったでしょうなー!
こーーれは、楽しかったでしょう!!!

キャラクターとしては前述の「お調子者」に加えて、自己中心的で、悪気なく人に迷惑をかけ、真剣に何かに取り組むことを厭うくせに、結局全てがちゃっかりと巧くいくような、そういう「引っ掻き回し役」としてのパーソナリティを全て備えた、まさに「サブキャラ」というべき人物造詣なのですが、その分、遊び方無限大!というべき自由度の高さで、解釈も何も、自分そのままを出してもOKともいうべき、有様のキャラ具合に、粟根さんの声質やらが合わさって「深刻に馬鹿な人」ともいうべき、どうしようもなさがこの人物にはあった気がします。

もっと、軽薄な声の人とか、若い人、それこそ声優さんとかのように本格的に声を商売にしている人が演じたら、もって「徹底した」キャラクター性を感じられたのかもしれませんが、粟根さん、明らかに、というか、間違いなく「遊び」の部分に重点を置き、思いっきり遊んでくれちゃってましたので、やー、まー、この男のキャラクター性について深く考えるのがヤになる位、地の人格は「粟根まこと」でした。

あと、ジャスミンという男を美人局に引っ掛ける為の女の子にメールでなりすます部分とか、粟根さんの中で「可愛い・男の人を夢中にさせるような」女の子口調じゃないといけないという考えがあったと思うのですが、声がなんか清純っぽいし、笑い方も「クスクスv」みたいな、何? だーーかーーらーー、あれっしょ? クラリスでしょ? 白いワンピース着てるイメージでしょ? 草原で帽子を飛ばされて、黒い髪とスカートをなびかせながら、そっとその行方を追ってる女のイメージでしょ?(清純に対する超・偏見)
賢しそうな口調や、インテリジェンス高めっぽいのに、控えめなしゃべり方とかに、粟根さんが抱いている理想の女性像を見出しまして「ジャスミンなんか、おるかああああああああああ!!!!!」といろんな意味で、そういう女にころっと引っかかる男含めての怒りを大層掻き立てられました!


そんな訳で、ざーーっと、各役者感想および、芝居感想まとめてみました。

ううん、ご覧になってない方もたくさんいらっしゃるでしょうから、レポ部分をなんとかしたいと思ったのですが、脳みそにしわが刻めない病気ですので、殆ど細部を覚えておらずに、申し訳ないという結果に!

あと、トークショーに関してと、その後、皆さんで言った、おいしい池袋にある飲茶のお店について、そしてその後新宿で見舞われた私の悲劇についても書きたいのですが、えーい、タイムリミット!!!
今から高校の同窓会に行ってきます!
体調をお悪くされていた恩師も、お越しになられるとかで、お会いできるのが心底楽しみ!
なので、東京話はまだまだ、続くよ!としたいと思います


うう、いい加減に終わらせたい!!!