迷い犬来る 二日目

迷い犬


迷い犬の飼い主、まだ、現れず
とにかく、連絡すべき場所には、全てした
母が夕方の散歩時、昨日協力を仰いだ老夫妻に呼び止められ、「貼り紙つくって、近所に張ったから。 飼い主さん見つかったら、私のところに連絡来るようにしてあるからね?」と言って頂く
犬好きの、犬に向ける愛情の深さに大感謝しつつ、本当に、こうして関わってくださる人の為にも、早く、飼い主よ、来たれ!!

んで、つい先ほど、夜の22時過ぎから、ワンコの本日三度目の散歩
明日、8:30頃にしか、朝の散歩に連れて行けないので、それまでの間に、おしっこだけでも済まさせてあげようと、出発

しかし、度し難い感情というものが想起される事は、加齢につれて少なくなっていくもので、そういう意味においては、本当に久しぶりだったんだけど、深夜散歩、わんこのリードはこたろうのリードを使っていて、だからか、外に一歩踏み出した瞬間、涙が溢れ出した 

驚いた
驚くほどに、私は悲しかった

こたろう、こたろう、一緒にこうやって散歩したね

お前は、男の子だから、もっと力が強くて、無軌道で、私の言う事なぞ、一つも聞こうとしなくて、本当に手を焼いたんだ 

こんな雨の日は、特に大変で

それでも、お姉ちゃんは、もっと、こうやってお前を連れて散歩したかったよ
本当に、7年にも足りない歳月を一緒に過ごしただけでいなくなったこたろうは、盆の時期にも帰ってくる気配はなくて、霊感なんてもの、元々ない私は、益々、お化けなんて、やっぱいないんじゃないかなぁなんて思いだしているよ

こたろう
こたろう

この子は、とても軽くて、女の子だから力も弱くて、大人しくて、私の歩調に合わせて歩いてくれて、お前と全然違うねぇ

寂しいなぁ
寂しいよう


一気に沸騰した感情は、雨に打たれて、穏やかに沈静化していった

二年間というのは、過ぎ去ったと表現するには、まだまだ短いんだなぁと思い知らされて、無事散歩を終えて帰ってきたのだけど、本来ならば、彼女の飼い主さんが、こうやって散歩をしているのが、ワンコの一番の幸福であろうからして、とにもかくにも、早くお家に帰れたらいいなぁと祈るばかりなのである

そして、帰宅後、今は落ち着いてぼんやりと、人目のない夜中でよかった…という事と、誰にも会わなかったからよかったものの、逆に深夜、犬を連れて、泣きながら徘徊する、女の幽霊フラグを立ててしまうところでもあった…と自省しているのです